スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

空中果樹園にて

フェーンの果樹園。
そよそよと吹く風が、木々の葉を揺らし、そこからかすかな音楽が生まれる。
その風と音を目を閉じて、ゆっくりとルークは味わっていた。

カタとかすかな音と、人の気配。
ルークは目を開ける。
「随分と気持ちよさそうにしていたな」
3つの空いたグラスにスクイーザー、オレンジに似た果物が入った小ぶりな籠を乗せたトレーをルークの方へちょっと滑らせながら、フェーンは言った。
「・・・ここの気は本当に気持ちいい」
ルークは視線を木々に走らせ言う。
「そうか」
そういって、フェーンは籠からナイフを取り出し、果物を半分に切り、スクイーザーで絞り始める。
2つのグラスにフレッシュジュースが注がれた。


絞りたてのジュースを口に含み、ふと視線を上げると、
「・・・・」
フェーンが何か問いたげな顔をしていることに気がついた。
「フェーン、何か?」
水を向けてみる。
「いや・・・、俺じゃなくて、お前が何か言いたそうだったから、来た時」
そういわれて、気付く。
水を向けたつもりが、向けられていたのは自分か。
「──本体が」
そこで、言葉を区切る。
実は本体ばかりじゃなくて、聞いてみれば、自分も気にしていること。
「本体?・・・ああ、下のお前か。
 それがどうしたんだ?」
フェーンが怪訝な顔で問う。
「本体が・・・、気にしているんだ。
 あの時のことを」
「あの時?」
そういわれてフェーンは首をひねる。
抽象的過ぎていて、思い当たるような、思い当たらないような、むずむずした顔をしている。
「俺が死んだ時のこと」
「・・・ああ」
腑に落ちた顔をするフェーン。
「なんで気にしているんだ?」
と、問うてくる。
「トラウマにならなかったかって」
聞く方のルークは真剣だ。
小さな変化も見逃さないと思っている。
「トラウマね~。なったよ」
さらりとフェーンが言う。
「っ」
「あの後、俺が使い物にならなかったとかじゃない。
 時々無力感に襲われたのは事実だ」
「・・・すまない」
ルークは頭を下げる。
「お前が悪いわけじゃない」
フェーンはそういってうなだれたルークの頭をぽんぽんと軽く叩く。
「・・・でも。フェーンが悪いわけでもないじゃないか」
そういってルークは頭を上げた。
「そう、誰が悪いとかじゃない。
 今、思い起こしても・・・変な言い方だが、スムーズな流れすぎた」
「え・・・」
その言葉に驚き、自分の記憶を反芻する。
言われてみれば、スムーズと言われてもしょうがないかもしれない。
そのくらい・・・計画された完璧な出来事と言ってもいい流れだった。
「きっと・・・あの場に居合わせたメンバー全員、
 一人一人にとって意味があるものだったんだろう。
 ・・・ってそう思うまでにはかなり時間が掛かったけどな」
そういって、フェーンがほんわりと笑った。
と、フェーンは視線をちょっと横にそらした後、果実に手を伸ばし、それをまた半分に切った。
さっきまでと同じようにスクイーザーで絞り、3つ目のグラスを満たす。
『なんで3つめ?』そう思いながら、
ルークはさらに本体から言われたことを思い出して言う。
「本体が・・・フェーンが今、こういう形で仕事をしているのは、
 あの時のトラウマが原因じゃないかと、心配している。
 俺からの情報で・・・フェーンのことは多少わかっていて、
 多分、フェーンが自分の望みを叶える形で、こうしているんだろうな、
 とは想像がついているらしいが、やっぱり・・・気になるらしい」
フェーンは途中から破願した。
ルークの言葉が終わるか終わらないかで言う。
「お前の本体って!
 そこまでわかっていて・・・。
 心配性なんだな~」
けらけらと笑い出す。
「あの件が影響していないとは言い切れない。
 だけど、トラウマとしてでなく、希望の小さな1つになって、
 今、こうやっているんだ・・・って伝えてくれ」
笑い足らなかったようで、そういってフェーンはさらに笑った。
ほっとした反面、これだけ笑われると、ルークも面白くはない。
本体にいわれた段階で、自分だって心配していたのだ。
何か一言、言ってやろうと口を開こうとした時、
「なんで俺の心配はしないんだ」
突然、頭上から声が降ってきた。
「うわっ」とっさに声を上げてしまう。
そこにいたのはデオンだった。
「──で、なんでお前の本体は俺の心配はしないんだ?」
そういいながら、椅子に腰掛ける。
目が少し据わり気味だ。
『それで、3つ目のグラスが・・・』
先ほどのフェーンの行動に瞬時で納得する。
・・・が、生憎といい言葉は浮かばない。
結果、そのままを伝えてしまう。
「自分でどうにかしただろうって」
そう言いながら、
「あっ、フェーンが自分でできないって訳じゃないから。
 本体もそういうつもりじゃないから」
と、フェーンに言う。
これは本体も同じことを言っていた。
『ただ、どうしても気になって』ということなのだ。
フェーンは「ハイハイ」とわかっている様子だ。
だが、デオンは納得がいかない様子で、
「どういうことだ?」
としかめ面をしている。
「どういうことだといわれても・・・」
本体が全然さっぱりデオンの心配をしていないのは事実。
感じてみても、裏などなくて、本当に言葉通り“自分でどうにかしたでしょ”しかないのだから。
取り繕う言葉も見つからず、ルークは困惑する。
「それだけ信頼されているんですね」
フェーンが言う。
「「え」」
思い掛けない言葉に、デオンとルークの声がダブっる。
「心配しなくても、隊長だったら自分で乗り越えたはず。
 そう思っているんですよ、きっと」
フェーンがデオンに言う。
「そうか?」
半分不審そうな目で、デオンがルークに問う。
「信頼・・・かどうかはわからないけれど・・・」
ルークは視線を上に向け、思い返しながら続ける。
「心配は全然してないよね、うん。
 デオンとエルンストのことは全然、まったく」
“きれいさっぱりと”という表現が正しいのかはわからないが、そのくらい本体は二人に対して、心配という言葉とは無縁なのは確かだ。
言われてみれば、こうやってルークに確認をさせるまで心配をしたのは、フェーンが初めて位だ。
「エルンストと一緒か・・・面白くないな」
そういいながら、デオンの機嫌が、若干上向きになったのをルークは感じた。
 
スポンサーサイト

最早、感想になってませんがι

何故だか、デオンさんが来た處から、またしても、泪が~(TДT゜。)
非常に…泣けるんですが(亞x亞。)
◇凄く信頼してる[台詞]が、兎に角…涙腺をヤラレて居て、如何しようかと(泣)
…うわ~ρ (;勿д勿;,)←動揺中

☆ユディアさん

え~~っと、ひとまず。
ハンカチをどうぞ。(^-^)/□
非公開コメント

Calender
プルダウン 降順 昇順 年別

05月 | 2017年06月 | 07月
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -


最近の記事
最近のコメント
リンク
FC2カウンター
プロフィール

wakka00

Author:wakka00
アロマ・レイキの勉強中。
神秘幾何学なんかも大好きです。
一昔前を考えたら、これって魔女かも!?
魔女見習いの奮闘を日々お送りしてますv

mixiバナー
mixiもやってます。
突っ込んだスピ話はマイミクさん限定♪

じぇいど♪さんのところのなにみえ遠足3期生。
ステーションやクリロズ、アカデメイヤに挑戦中。

 
チャットしてください
 Skype:wakkakka00

--------------

なにみえカードFlash版バナー

ブログ内検索
RSSフィード
QRコード
QRコード
グリムス
moon calender
Mail Form

Name:
Mail:
Title:
text:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。