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模擬戦4

「あれは一過性の病気みたいなものだから。
 割り切って、付き合ってればいい」
医務室にいくまでの廊下。
意外と声が響く。
右隣でルークの腕をタオルで押さえたまま、フェーンが言う。
当の本人──エルンスト──がいたら、速攻で抗議をしそうだ。
「・・・一過性の病気」
ルークは繰り返す。
「そう、俺もカイザーも一度は経験済みだから」
「・・・わかった。しばらく様子をみてみるよ」
その時は、フェーンもルークも気楽な気持ちでいた。



「う~~ん、縫った方が良いっていえばいいけど。
 ヒーリングをマメにしていれば、あえて縫わなくても・・・。
 君しだいだな」
診察した医師が言う。
「じゃ・」
「縫ってやって下さい」
縫わずにヒーリングで、と続けるつもりが、フェーンにさえぎられる。
「ちょっと」
フェーンの顔を見る。
ふざけているわけではないらしい。
「初めてのケガなんですよ。一度痛い目を味わっていた方がいいと思うんですよね」
「なっ・・・」
さらりと怖いセリフを医師に言っている。
「そっか~、初めてか」
医師も納得したような顔でいる。
フェーンが真剣な顔をルークに向け言う。
「戦場でケガをした場合は、俺が応急処置にあたる。
 麻酔なしで、縫うことだってあるんだ。
 あんな闘い方をするお前は、一度、
 痛みを経験しておいた方が、無理しないだろう」
言われて、言葉に詰る。
「そ、そんな理由では・・・」
納得しないぞといいたいところだが、無理をした・・・というか、
強引に事を運んだ覚えがしっかりある。
途中から、言葉尻が小さくなってしまう。
「あんな闘い方って?」
「こいつ、自分の腕を盾代わりにしたんですよ」
「そりゃまた、思い切ったことを・・・」
医師とフェーンの視線が痛い。
ルークは気付かなかったが、医療者のフェーンは静かに怒っていたようだ。
「・・・麻酔なしでお願いします」
小さくなってルークは言った。



「意外と痛くなかっただろう?」
医務室を出た後、フェーンに声をかけられる。
「・・・おかげさまで」
ややぐったりしてルークはこたえた。
これは嫌味などではない。
本当にフェーンのおかげで痛みが軽く済んだのだ。
フェーンのヒーリングがなかったら・・・と思うとぞぞっとする。
『麻酔なしでは耐えられないかもしれない』
かろうじて、痛みの言葉を口から発することはなかったが、
眉間にシワがずっと寄ったままで、今だって顔全体が強張っている気がする。
予期できる分をシールドをはってやり過ごし、めったに大きなケガをしなかったルークは自分が思っているよりも痛みに弱かった。
「これに懲りて、自重させていただきます」
フェーンに向かって頭を下げる。
「いい心がけだ。縫わせた甲斐があるってもんだな」
フェーンは目じりを下げた。

「・・・そういえば、その手」
ルークはずっと気になっていたことを切り出す。
フェーンの腕の義手のことだ。
義手と言っても、元の肉体と神経部分などが電気信号に置き換えられてつながり、違和感なく使えるようになっている。
今では人工皮膚で覆われることで、一見しては義手とわからないものもある。
しかし、フェーンのものは少し古めで、皮膚で覆われていないものだ。
「ああ、これ」
フェーンも質問になれたものなのか、気にする様子はない。
それでも・・・
「聞いてもいいか?」と、ことわってみる。
「構わないぜ」
ぐい、と腕を突き出された。
「ちょっと診せてもらっていい?」
「もちろん」
腕に手を沿え、指、手のひら、甲、各部分をみていく。
「・・・やっぱり」
思わず声が出る。
「なんだ」
フェーンは怪訝な顔をしている。
「君の腕を作った人を知っている。
 時間が経っているのに・・・。
 すごい丁寧に使われている。すごいな」
最後は感嘆の声が出た。
ああ、彼にこの腕を・・・フェーンを紹介することができたら、
どんなに目を輝かせただろう。
「ぶふっ」
「?」
フェーンが噴き出す。
「お前、変だよな~」
「えっ?」
「普通さ、腕のことって言ったら、どこで怪我した?
 どうして義手になった?とか聞くもんなのに。
 作った人!」
バシバシと背中を叩かれる。
どうも的外れな発言をした・・・らしい。
「・・・で?その人は、今何しているんだ?」
フェーンに促される。
「あ・・・。数年前に亡くなったんだ」
そう、見せたいけれど、彼はもういない。
「まさか・・・」
フェーンが顔を曇らせる。
「あっ、戦争でじゃないよ。病気・・・というか・・・歳で」
「そうか・・・・・・残念だな。
 ・・・・俺のこの腕は・・・・」
その後は部屋に着くまで、フェーンのいきさつを聞かせてもらった。
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ルークさんの戦い方、確かに痛々しい(>_<)

あとwakka○さんがMなのって…(・艸・)
でも痛みに強いって訳ではないですよね(^_^;)なんというか…精神的に…?

No title

よくこんな淡々と書けるよなぁ・・・やっぱり作者はMだ。
うぉぉぉ・・痛みに弱い私もレオンも両手の指の間から覗き見するみたいにして読んだ気分・・・・縫うのこわいよぉ~~~~~v-395

No title

私も痛みに弱いです><
でも、何故か職業柄他人の縫合とか平気だったり(爆)
ただね・・・骨折とか切断とか
骨系は背筋がぞっとするんです^^;
切腹は平気なのにねぇ~☆

・・・とかそういう問題ではなくて~

おぢちゃん・・・人が良すぎだよぉ~><
縫わないで!って言えばよかったのに。。。
でも、そんな優しいおぢちゃんが大好きなんだけどね♪
でもでも、そんなことじゃ、今後リーシャさんに適度にいじられるよ~?

そうしたら、リーシャさんVSデオンさんが見られるのかな?
レオンと楽しみにしてよ~っと☆
(☆。☆)キラキラ

横レスすみませんm(__)m

>ひなたさま☆
本体はSっ気ゼロなんですが、リーシャは確かに分からないかも(^_^;)w
でもVSデオンさんはゴメンだわ(^_-)☆って思ってそうだから、いくらディジーちゃんでもその期待だけにはお答えできないかも(笑)
ルークさんとはきっとすごく和やかにお友達だちです(*^▽^*)

つーかさ、

ちゃんとプロテクターつけてやればいいだけでしょ。
軽くて硬度の高いものに水晶を配置してシールドかければかなりのものになるから。

ちゃんとそこんところデオンさんが手配してない方が悪いと私は思ったのでした。

☆マッチャさん

> あとwakka○さんがMなのって…(・艸・)
> でも痛みに強いって訳ではないですよね(^_^;)なんというか…精神的に…?

も~、下のかほりんといい、二人してM、Mって・・・e-330
この記事で、こんなにMを連発されるとは思ってもみませんでした。
まだまだ甘いわ、私(笑)

☆かほりん

> よくこんな淡々と書けるよなぁ・・・やっぱり作者はMだ。

かほりんまで。
いや~、淡々と書かないと、引かれるぞ~と思ってさ。
こんなに、Mと言われるとは思わなかった。
本当、読みが甘いよねぇ、まだまだ(笑)

☆ひなたん

> でもでも、そんなことじゃ、今後リーシャさんに適度にいじられるよ~?

大丈夫、リーシャさんはエル・フィンさんをいじることはあっても、
ルークをいじることはないから!
自信を持っていえる(大笑)

> そうしたら、リーシャさんVSデオンさんが見られるのかな?
> レオンと楽しみにしてよ~っと☆
> (☆。☆)キラキラ

ってことで、残念でした~~っ。
──でも、本体からすると、ちょっと見たいかな?(苦笑)

☆たかさん

> ちゃんとそこんところデオンさんが手配してない方が悪いと私は思ったのでした。

ははははは。
デオンさん・・・。
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アロマ・レイキの勉強中。
神秘幾何学なんかも大好きです。
一昔前を考えたら、これって魔女かも!?
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じぇいど♪さんのところのなにみえ遠足3期生。
ステーションやクリロズ、アカデメイヤに挑戦中。

 
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