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病室1

目を開けて、暗い空間の中、ところどころに光る機械のいくつもの小さな光を追っているときだった。
「手を・・つないでくれないか」
「え?」
光を追うのに夢中で、一瞬、意味がわからなかった・・・が、慌てて、左側にいるデオンに向かって手を伸ばす。
デオンがこんなことを言うのは、初めてだ。
伸ばした手は、何度も空を切る。
指先が何度かぶつかった。
ベッドの際までにじり寄り、再度挑戦し、やっとデオンの手をつかんだ。
「く、苦しい・・・」
ベッドの際で体が落ちそうなのと、ベッドとベッドの間の空間に浮かんだ手を維持するのは結構、辛い。
こういう時は・・・。
つかんだデオンの手を離し、ガバッと起き上がる。
「・・・ルーク?」
怪訝そうな、気だるげなデオンの声を無視して、頭の辺りを探る。
あった。
パッ
小さな室内灯が灯った。



ウィーンという音とともにベッドの位置が上がる。
高さを調節し、二つのベッドの高さを同じにした。
「よしっ」
ルークはベッドに座った。
「消すぞ」
消した直後、視界が暗くなる。
目が慣れてくるのを待ち、もぞもぞと毛布をかぶる。
そして、電気が消える前に確認したあたりに、左手を這わせる。
あった。
デオンの手をしっかり握り締める。
「ありがとう・・・」
一週間、まともにベッドの上で寝ていなかったのだろう、ルークがベッドを移動させたりしている間、デオンは何度も意識を飛ばしては、はっと目を覚ましていた。
「おやすみ」
ルークは声をかけた。
たくさん眠って、疲れがとれるといい。
そう願わずにいられない。
と、デオンがボソボソと言う。
「・・こうやって、触れていられるのも・・・、奇跡なのかもな・・・。
 ・・・ありが・・とう・・・お・や・・す・・・み・・・」
規則的な寝息が隣から聞こえ始めた。
言われた意味を考えて、ルークは涙がにじみそうだ。
自分の直感を信じるならば・・・デオンはルースの遺体を見ているはずだ。
直にではないかもしれない。
・・・絶対、ルースとルークを重ね合わせただろう。
今日、再開したときに“怖い”と言ったデオンを思い出せば・・・。
手をつないで寝るのなんて、とても簡単なことだと思う。
それで安心してもらえるのなら・・・怖さがなくなるのなら・・・。
デオンのこの一週間に心を馳せる・・・。
「こちらこそ、ありがとう・・・」
聞こえないのは承知で、言った。
小さな光がじわりとにじんで見えた。
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