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説明3

「・・・が予定外のことが起こった」
医師が重い雰囲気をあえて、気にしないように言う。。
「え・・・?」
これ以上に何があったというのだろうか。
「見なさい」
医師がすいっと手を動かす。
手には鏡。
まるで、空中からぱっと現れたようだ。
『陣を書いたか?』
不謹慎だが、ルークは一瞬そちらに気をとられた。
すごく早いのか・・・。それとも物質化できるのか・・・。
差し出された、鏡を覗き込む。
「──っ」
「そういうことです」
そういって、医師は初めて溜息をついた。
移植されたという右目は・・・翠色だった。
ああ・・・これを二人は問題にしていたのか。
鏡の中の右目と左目を見比べながら、ルークは思う。
通りで、二人とも人の顔を見るなり黙るわけだ。
「先ほどから何度も言っていますが、その右目はルーシャンスさんのものに間違いありません。
 届いた時点、そして移植後はルークァンスくんと同じ蒼だったのも確認が取れています。
 ・・・調べたのですが、稀に・・・移植後に色が変るという事例があるにはあります」
歯切れが悪い。
事例があるにしても・・・やはり、すっきりしないのだろう。
・・・。
「・・・でも、変ってしまったものは治しようがないし。
 しょうがないですね。いろいろとご心配もおかけし、ありがとうございました」
ま、不便はないし、これはこれでいいのだと思う。
あまりにもさばさばしたルークの様子に、二人は息をのんだ。



「だから粥くらい俺にも作れるって言ってるだろう」
「そういう問題じゃない」
ルークは二人の言葉の応酬を黙って聞いている。
不謹慎だが、ある意味面白い。
デオンは“やることはやっているんだから、このくらいは多めに見ろよ”みたいな部分があって、ルークからすると『職権乱用だ』と思うことが多い。
だが、今回の相手はそれが通用しない。
言い合ったり、言い負かされるデオンをみるなんて、滅多にないことなのだ。

事の起こりは、今後のルークのこと。
ポッドの中でほぼ完治したとはいえ、食事や筋力が完璧ではない。
徐々に食事を戻すこと、軽いリハビリを行う必要があることを考えれば、一般の病室に移ってしばらく入院するのがベストということだった。
・・・が、デオンは退かない。
「粥くらい作れる。面倒も俺がみられる」と言って、このまま退院させたいと言ってきかない。

「こんなことがあった後だから、手元に置いておきたいのはわかりますが。
 メンタル面ではどうするんですか。
 今、こんなに淡々としている分、あとで揺り返しがあるかもしれないんですよ?」
最後の一言が、効いた。
「うっ」とデオンが言葉に詰る。
ルークは医師の瞳の中に一瞬「勝った!」というきらめきを見たような気がした。
「・・・じゃぁ、個室にしろ」
「はぁ?」
思わず、ルークが聞き返してしまう。
「こんなに軽い人を個室なんて冗談でしょう」
医師もわずかに慌て気味に聞く。
「こいつが入院している間、仕事が終わったら、俺が付き添う」
「はぁぁ?」
思わず、医師と声がそろった。
お互い顔を見合わせる。
『ある意味、自棄になってますね・・・』
心話で医師が話しかけてくる。
ちょっと会っただけなのに、ルークの波動にあわせることができるなんて。
やっぱり、すごい。
『・・・申し訳ありません・・・』
ルークは小さくなるばかりだ。
「こら、そこっ、何を語り合ってる」
二人の会話は聞こえなくても、なんとなくわかるのだろう。
デオンは面白くない様子で言った。
「予定では4人部屋にするつもりだったのですが。
 もちろん、付き添いのベッドなど入りません」
デオンが口を挟もうとするのを制止し、医師は続けた
「そうすると、寝袋でも持ち込みそうな勢いだから・・・。
 かといって、個室はいっぱいなんですよ」
視線がさまよっている。
と、何か思い出したのか、ふいにきらめいた。
「VIPルームだったら空いてます。
 あすこなら、付き添い用のベッドも、しっかりしたものだし」
「そこでいい」
デオンは即答した。
『ちょっと待ってください、先生。
 俺は相部屋で構わないんですよ。デオンは追い返しますから』
ルークは訴える。
『ある意味、依怙地になってますから。
 一晩だけでも、付き添わせてあげれば気が済みますよ』
そういわれてしまえば、そんな気もしなくもない。
「ただし、差額が○△※必要ですけれど?」
「構わない」
「デ、デオンっ」
目が飛び出そうな金額を聞き、ルークは更におたおたする。
「じゃ、看護師に手続きをさせよう」
看護師が現れる。
これって、デオンも依怙地になっているけれど、医師の方もデオンを煽って楽しんでいないか?
「グラッシェアンス大尉にVIPルームの手続きを。
 終わった頃に部屋に呼んで。ルークァンスさんと行くから」
医師が指示を出す。
「あ」
診察室を出て行く二人の背に医師が声をかける。
振り返る二人。
「ルークァンスさんが身につけていたもので、こちらで預かっているものも渡しておいて」
その言葉に、ふと気付き、首と指に手をやる。
やはりドッグタグと指輪がない。
「ルークァンスさんもグラッシェアンス大尉が・・・・・・・大変ですね」
無いのがわからないくらい、二つとも体に馴染んでいたということか。
医師の言葉の途中が聞き取れなかったほど、動揺していて、
「そうですね」
と生返事をしてしまう。
次の瞬間、我に返り、「先生、VIPルームって」と詰め寄る。
「きみがポッドに入っていたのは何日か言うのを忘れてましたね」
詰め寄られた医師は顔色一つ変えない。
「ええ・・・」
「一週間です」
「一週間・・・」
その時間が長いのか、短いのかわからない。
「その間、彼は時間ができる度に、ここに通い詰めていました」
「・・・・・っ」
再開したときのデオンの様子を思い出して、息をのむ。
「多分、事後の処理でかなり忙しかったと思いますよ」
・・・そうだろう。
戦闘後の処理、ルークが倒した仲間の兵士のこと、そして・・・ルーシャンスの家族のこと。
多分、デオンは手を抜くことなく、全てをやりきったと思う。
「ポッドの中にいる間は、あわせることができないのを承知で、部屋の前で待ってて。
 まったく・・・経過が順調ならば、1週間で目覚めさせますといってもダメでした」
「・・・・・」
なんと言っていいのか、わからない。
「だから、一晩くらい付き添いをさせてあげてもいいかな、と思ったんです」
医師の口元が綻んだ。
が、次の瞬間、
「第一、彼が倒れて、診察するのが私って言うのも嫌ですし」
と、言い放つ。
「ふふふふ」
ルークは思わず笑った。
やっぱり、医師とデオンの相性は最悪らしい。
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