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説明2

両足に肘を突き、手に顔をうずめるようにしていたデオンが、
「・・・俺が言い出したことだから、責任を感じているんだ」
と力なく言った。
丸まった背中が、本当に参った様子を伝えてくる。
「それはわかっている。──が、間違いなく、君が指定した通り、その瞳はルーシャンスのものだ」
医師は言葉を切るように、畳み込むように言う。
「・・・ルーシャンスの瞳・・・」
ルークは医師の言葉が何を意味するのか、わからなかった。

ズキン
「っ」
突然、頭が痛み出す。
『そもそも、なぜ、自分がポッドの中に入れられていたのか?』
ズキン
『ポッドの中に入れられたということは、それなりのケガをしたのだ』
ズキン
『それなりのケガとは?』
ズキン
集中して思い出そうとするたび、痛みが走る。
『この痛みはなんだ?』
「──っ」
痛みの原因を探して、ルークは息を飲んだ。
脳の一部にブロック体が埋め込まれている。
まるで大きな楔を穿たれているかのようだ。
一度気付いてしまえば、耐えられないほどの違和感。
『これを取り除くのには・・・』
いくつかの魔方陣を思い出す。
・・・が、これはとても精妙で、なかなか綻びを見つけられない。
「やめなさい、ルークァンスくん」
医師がルークの意図を読み、制止する。
「でも」
「治療に専念したかったからかけたものです。
 もとより、きみが目が覚めれば解除するつもりだったのだから」
そういって医師は手を滑らせた。
流れ込んでくる記憶。
それは堰き止められていた分、流れが速かったのかもしれない。
「うっ」
医師の手の動きの一部でも覚えておいて、どんな魔法を使ったのか後で調べるつもりだったのだが、そんなことは全て飛んでしまった。
蘇る痛み。
思わずルークは左胸と、右肩を確認する。
人を刺した記憶。
右目から広がる闇。

「はぁ、はぁ」
全てを見終わったときには意気が上がり、じっとりとあぶら汗をかいていた。
手の甲でその汗を拭う。
「大丈夫か?」
隣でデオンが心配そうに顔を覗き込む。
「ああ。・・・彼は・・・彼は大丈夫だったのか?」
一番初めに、気になったことを聞く。
デオンは一瞬目を見開いた。
予想外の質問だったのだろう。
「──大丈夫だった。ロストせずに済んだ」
「・・・よかった」
ほっと胸を撫で下ろす。
「あれはギリギリの線だった。よく判断したぞ」
そういって、デオンはルークの頭をくしゃくしゃとかき混ぜた。

「話を進めていいかね?」
医師に問われ、二人してうなずく。
「もう、わかっていると思うけれど・・・。ルーシャンスさんは亡くなった」
ルークは無言でうなずく。
「きみはついていたんだよ」
そう言われて、え?と思う。
ついていた?自分が?
言葉にはしなかったが、医師には伝わったのだろう。
「・・・二人の共感性が高いせいだろう。ルーシャンスさんを取り巻いていた闇に触発され、きみの右目に飛んだ闇が活性化したんだ」
・・・そう、あれは・・・。
確かにジワジワと広がっていく感覚が残っている。
「気を失って、共感性が遮断されたこと。そして、そばにグラッシェアンス大尉がいたこと、それがきみのつきだ」
そういわれ、デオンの顔を見る。
「ああ」
腑に落ちて、思わず声が出た。
「・・・そういうことだ。きみがここに運ばれてきた時には、グラッシェアンス大尉の力で闇はほぼ駆逐されていた。
 ・・・が、残念ながら、きみの右目は汚染された後だった」
汚染された部分が残っていると、どうしてもそこに闇が入り込みやすい。
そのために、摘出できる場合はできる限り摘出されるのが常だ。
ルークもそれは知っている。
「その時に・・・」
「俺がルーシェンスのことを思い出したんだ」
医師の言葉を継いで、デオンが話す。
「お前の状況からいって、多分、ダメだと思った」
デオンがうなだれる。
気を失う前のあの一言で、デオンは全てを察したようだ。
「混乱する中、それでも何とか確認できて・・・。
 ルーシェンスさんは移植の同意を出していたんだ。
 だから、ご家族にお願いして・・・。
 相手がきみだとわかって気持ちよく提供してくれたよ」
医師がまた、言葉をつないでいった。
「・・・」
ルースの妻、全然会っていないが写真で見た姪や甥の顔が思い浮かぶ。
どんな気持ちで・・・・・・。
「一卵性双生児ということで、拒否反応もなく、想像以上に早く体に馴染みました。
 今も違和感は全くないでしょう」
そう言われ、無言でうなずく。
自覚がないほどに馴染んでいる。
自分の目ですと言い切りたいほどだ・・・。
それでも・・・。

重い雰囲気が場に漂っていた。

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