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ルーク11

「一緒に住まないか?」
夕飯の片付けで、二人でキッチンに立っているときに急に言われた。
「へ?」
言われた意味がとっさに飲み込めず、ルークは間の抜けた返事をする。
余りの反応にデオンも苦笑いだ。
「ま、ここが済んでからゆっくり話そう」
「ああ」
素直にルークはうなずいて、隣でデオンが洗い上げた食器を拭き始めた。



「──つまりだな、今のお前の生活を表にすると、こんな感じだ」
それぞれソファに落ち着いて一息ついた頃、デオンが切り出した。
もぞもぞと、胸のポケットから紙を取り出す。
『あ、なんか今日は引っかかると思ったら、ポケットがちょとごわついていたんだ』
デオンが来てから何か気になっていた、引っかかり部分が解消されてすっきりする。
手渡された紙に目を通す。
ルークの1日のスケジュールが簡単に描かれている。
起床から出勤、勤務・昼食・勤務。退所して演習の参加など・・・。
うんうん、まさにこんな感じで動いている。
「すごいね・・・よく把握している」
左側に座る、デオンの顔を見た。
「だからだ」
デオンがルークの方に体を向けなおして、身を乗り出してくる。
「だから?」
言われている意味が全然わからない。
「──っ。どうして、お前は変なときは鋭いのに、こういうときは何も考えないんだ?」
隣でデオンが髪をかきむしる。
「???」
ルークは全然、話の流れすら想像がつかない。
「つまりだ・・・」
はぁ・・・と間で溜息をついてからデオンは続けた。
「この表から考えると、お前が独自の研究に割ける時間は一日2時間が限度だ。だが、今、お前は何時間ぐらい充ててる?」
聞かれて、改めて考える。
「・・・。充てられるだけ充ててる?」
眠くなったらいつのまにか寝ているし・・・。
これがベストの答えだと思って、ある意味胸を張りつつ答えたら、
「バカッ。も~~~、お前はっ」
デオンからすかさず突込みが入った。
「前みたいに気を失うまでギリギリまでやるんじゃないっ」
だったらそうはっきり言ってくれよ・・・。
「今日、俺が来た段階で5時間。多分、前日とか前々日は6・7時間やってはずだ」
「ふーーん」
「ふーんってお前」
隣でデオンが大きな息を吐いて、ソファーの背にのぞけった。
「集中している間に過ぎてしまった時間なんて、気付かないだけだ。
 デオンが言うんだから、5時間に、6・7時間なんだろうな」
表を見て、ルークはボソッと言った。
「それだ」
よっとデオンが戻ってくる。
「お前は集中しすぎると時間の感覚がなくなる。だから・・・さっき言ったように・・・」
デオンは途中で口をつぐんだ。
「さっき言ったように?」
ルークは首を傾げる。
何か言われたっけ?
さっきというと・・・どのくらい前がさっきにあたるのだ?
どの辺りから記憶をさかのぼれば、出てくるのか。
はたまた、自分がちゃんと聞いていたのか・・・。
一抹の不安がよぎる。
「・・?・・?・・?」
「ルーク、まさか、さっき俺が言ったこと忘れたのか?」
視線がウロウロしているルークを見て、デオンが恐る恐る確認する。
とっとと聞いてしまった方がいいようだ。
「さっきってどのくらい前のさっきだ?」
ガクーーーーッ
思いっきり、デオンが脱力する。
ひざのあたりまで顔を下げ、それでも
「皿洗いの時だ」
怒りを抑えて一言。
「ああ!」
ルークはやっと納得する。
すっきりして、思わず、両の手を打った。
『あ、そこにつながるんだ』
そっか、そっかとうなずいてみる。
「──で、返事は?」
デオンに返事を促され、ちょっと考える
「デオンがここに来るのか?」
『だとしたら、手狭になるかなぁ・・・』なんて想像する。
せめて、ベッドだけは買い足さないと。
今朝も狭かったしなぁ・・・。
なんて、勝手に考えていると、
「いや。別に用意するつもりだ」
と言われて、我に返る。
「えっ、別に?引っ越すってこと?」
「そのつもりだ」
「引っ越すのはちょっと・・・」
隣の個人ラボを思い起こす。
あの中味を動かすなんてとんでもない!
その手間があったら、あれを完成させための時間がほしい。
「ラボのことだろう」
デオンにはルークの考えていることが手に取るようにわかるらしい。
「瞬間移動装置を使おうと思う、特例として」
「・・・できるのか」
「所長に頼んで・・・後は俺しだいだから」
さりげない職権乱用発言だ。
研究所内及び研究所職員の官舎は原則として瞬間移動装置及び瞬間移動は使用禁止なのに、それをさらりと、「特例」と言ってしまう。
ルークには、デオンの感覚がよくわからない。
・・・が、これを言えば、「お前の感覚のほうがよっぽどわからないぞ」と言われそうだ。
(過去言われている・・・)
『さて、どうしたものだか・・・』
つい最近、
『デオンには迷惑かけないように、自立しなければ!』と
妙に力を入れて、心に誓ったばかりなのだが。
結果としては、それが空回りして、今日も迷惑をかけたのも事実。
『どうせ限られた時間だ、好意に甘えてしまうのも手かもしれない』
そんなことをふと思う。
「ところで、デオンのメリットは?」
気になったことを聞く。
ルーク側のメリットはたくさんある。
ある意味、専用マネージャーがつくようなものだし。
「お前の心配をしなくて済む」
きっぱり言われて、絶句する。
・・・あんまりじゃないだろうか。
「あとは、行ったり来たりしなくていいとか、か」
追加された理由も、納得がいくようないかないようなもので、更に憮然とする。
それでも、
『学生気分に戻って、二人で住むのもいいか』
そう。多分、二人でいられるのも短い間なのだろう。
『こういう場合は、何といえばいいのか』
ぴったりくる表現を探して、これだなと思った。
「──よろしくお願いします」
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No title

おぢさん、おぢさん。
かめばかむほど、味が出ますね~(笑)
大好きだわ~♪

No title

よかった・・・ルークさんも天然さんだったか・・・・^^

わぁい(*^▽^*)携帯からリアルタイムで見られることに気づきました~☆(漫画も見られた(T▽T)ジ~ン…)これで付いていけます~♪
そしたら二人は仲良しだった。かなり仲良しだった。同じベッドで寝てしまうのか。狭いよね…。そうか。。
うん★ルークさんド天然な所があるんですね(*・∀<)☆w

No title

整理させてもらっていいですか。。二人で暮らすのは学生気分なのでつか?
この間はタクトくんが落ち込むとかなんとか・・・。i-229
(m美ったら下世話~とか言わないでください。笑)

☆ひなたん

> かめばかむほど、味が出ますね~(笑)

するめアタリメのような男ってことね(笑)

☆かほりん

恐るべし天然よね。
ご迷惑おかけしてますm(__)m

☆マッチャさん

おお~、携帯から!
ありがとうございます♪

かなり仲良し・・・が、マッチャさんの中でどうなっているのか気になる(笑)
最近、皆さんの認識は、“エル・フィンさんとリーシャさんのような関係”なんですが。
マッチャさんはどう思ったの~~i-278

ド天然とすごい鋭いときと・・・差がありすぎですi-237

☆m美ちゃん

> 整理させてもらっていいですか。。二人で暮らすのは学生気分なのでつか?

いちおうそんな感じです~。
学生の頃は寮で同じ部屋だったし。
(徐々に書いていく予定~♪)

> この間はタクトくんが落ち込むとかなんとか・・・。i-229

今日アップしたマンガ“がんばれタクトくん4”が、落ち込む話で~す。
でも、この引越しだって、聞いたら充分凹むよね。

えっと…

最初は同じ感じなのかな~と思ってたんですが、ルークさんとデオンさんの方が潤い?のようなものがあります多分(笑)
フォローしたりされたりはあるけど、リーシャとエル・フィンさんの場合、少なくとも生活面はノータッチ。
お互い健闘を祈る!って感じかなw
なのでお二人はかなり仲良しなのだなぁと思いました(*^▽^*)
ルークさんが振り回しちゃう方ですね(*´艸`)ギャップがある人って魅力がありますよねぇ(*^▽^*)

☆マッチャさん

潤い・・・(笑)
そうかもしれませんね~。
離れてても支えあえるお二人とは、違うかもしれませんね~。

> ルークさんが振り回しちゃう方ですね(*´艸`)ギャップがある人って魅力がありますよねぇ(*^▽^*)

魅力・・・と言ってもらえて・・・i-201
フォローありがとうございます♪
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アロマ・レイキの勉強中。
神秘幾何学なんかも大好きです。
一昔前を考えたら、これって魔女かも!?
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