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タクト4

「なーーんか、俺、タクトと店員さんに乗せられた気がする」
隣でルークさんがボソッと言う。
「えええ~っ、そんなことないですよ。
 すごい、似合ってますって」
オレは、ブンブンと片手を振り回して言う。
もう片手には、荷物。
先ほどまで、ルークさんが着ていた服など一式が入っている。
かたやルークさんも両手に荷物。
オレと店員さんお勧めのコーディネイトの服を数枚。
靴も合わせて、更に購入。
ふと、目に留めたシャツを「手触りがいい~」と、色違いで数枚購入。
その結果だ。
ちなみに、「このまま着て帰りませんか~?」の言葉に、一寸戸惑ったものの、
「じゃあ、お願いします」と最後にコーディネイトした服&靴を身につけたままなのだ。
それでこの状態。
大人買いというのはこういうことなんだろうか?
ふと、オレは思った。



「あ、あすこ・・・」
道の向こう側、ルークさんの視線を追った先は、宝飾店だった。
最後の予定、酒屋での買い物を終わらせ、車まで戻るところ。
『今日のお出かけももうすぐ終わりか~』と、ちょっぴり寂しさを感じていたオレは、
思わず「寄っていきますか?」と声をかける。
「大丈夫かな?」
ルークさんが気にしているのは、ルート外だということと、時間だろう。
「大丈夫です」
オレはにっこりと言った。

店に入り、ざっと様子を伺う。
宝飾店だけあって、客の質も悪くないし、第一店の作り自体がしっかりしている。
ルート外のこの店が一番、警護がしやすいというのは皮肉かもしれない。
それでも、ルークさんの後ろに続きつつ、前にも気配を配って歩く。
──と
「・・・タクト。今日はつき合わせちゃって悪かったね。
 もしよかったら、何かプレゼントするよ。
 気に入ったものを選ぶといい」
ルークさんが振り返りってショーケースを指しながら、言う。
「えっ、そんな、とんでもありませんっ。
 仕事として来ているんですし」
オレは両手を振って、慌てて否定した。
「いやいや、来る前から準備とかで頑張ってくれたし。
 この辺りは手頃そうだし、金額を気にせず、選んでてよ」
言われて、指された辺りを覗き込む。
若い男性向けデザインの、指輪やネックレス、チョーカーなどが並んでいる。
本当だ、値段も重くない程度に手頃だ。
「俺ちょっと、その辺見てくるから。選んでて?」
言われて気づく、そうか、オレと一緒じゃなく、一人で見たいんだ。
「わかりました・・・」
オレに手をひらひらさせ、ルークさんは奥のショーケースの方へ向かった。
・・・誰に贈り物ですか?
聞けたらどんなにいいだろう。
チラッチラッと視線をルークさんに向けると、見る度にどんどん奥の方へ行っている。
奥に行けば行くほど、高価になっている訳で・・・。
ルークさんに“高価な宝飾品を贈りたい相手がいる”ってことに、今まで気付かなかった自分にショックを受ける。
・・・が、考え直す。
ルークさんをずっとみていたんだ。
どう考えても、“特別”な人はいないはず。
じゃ、新年の前だし・・・お母さんか、お姉さんまたは妹さんに贈り物だ!
そう考えると、腑に落ちる気がする。
うん、絶対そう。
そうかそうか、身内か~~。
気分が上昇してきたオレは、ルークさんが戻った時に、「これ」と言えるように、物色を始めた。


『ふふふふ~~ん』
チラチラと視界に入る銀色にオレは上機嫌だ。
こうやってチラチラと目に入るところまでは予測していなかった。
見えるたびに、にんまりしたくなる。
指輪にして大正解だ。


ペンダントやチョーカーにするとドッグタグとかぶってしまう。
ブレスレットはすぐ引っ掛けて切ってしまうか、逆にケガにつながりそうだ。
消去法で指輪に決め、中でもシンプルであわせ易いものを第一候補にした。
『ルークさんが指輪に引くようだったら・・・』と考え、第二候補も決めていたのだけど。
全く問題にしなかったようで、指差したタクトに「へぇ・・・いいね」と言って、店員さんにすぐ話をつけてくれた。
店員さんから手渡されたそれは、想像していたよりもちょっとだけ重くて、『おっ』と思う。
ためしにはめたそれは、指にいい感じで落ち着いた。
「つけたままお帰りになりますか?」店員の言葉に、うんうんとうなずいてしまった。
ルークさんが支払いをすませてくれている。
チラッと様子をみるが、ここでの紙袋は持っていない・・・というか、今、タクトの分のケースが入った紙袋を受け取っている。
ということは、発送の手配をしたってことで・・・やっぱり家族だったんだなぁ・・・と思う。



「うげっ」
思わず声が出てしまった。
車のライトが照らした先、ゲート横にある守衛所の脇に見たくない姿を見てしまったのだ。
「デオン」
ルークさんも気付いたようだ。
減速して、守衛所前で車を止める。
O.K.をもらった後、
「門を過ぎたら、車を止めろ」
隊長に、そういわれる。
門がギギギギーと渋い音をさせて上がった。
指示通り、数メートル進めて止める。
・・・と、守衛所の陰で気付かなかったけれど、他にも数人いる。
3人だ。
「えっと・・・」
ドアを開け、外に出て、事態を把握しようと、隊長の顔を見る。
「トランクを開けろ」
隊長と一緒に車の後ろに回り、トランクを開ける。
「こりゃまた、いっぱい買い込んだな~」
隊長が車から降りたルークさんに話しかけている。
「?????」
何が起こっているのか、さっぱりわからない。
・・・が、ルークさんは慣れているのか、後部座席のドアを開け、
後部座席の荷物を取り出しては、そばにいる人に手渡している。
と、他に待っていた人たちが、トランクから荷物を運び出す。
「え、え?」
「検閲のためだ」
「検閲・・・って、ここでですか?」
外部から帰ってきたとき、自分も毎回受けるが・・・こんなところではない。
「量が半端じゃないだろう~。ルークのは。
 まとめて、検閲所まで瞬間移動させちゃったほうが早い」
隊長が説明する。
「で、車を置いて、部屋に帰る頃には俺の部屋に全てついているって訳」
後を継いでルークさんが言った。
「そうなんですか・・・」
そうこするうちに、荷物は運び出され、
「じゃ、いつも通りに処理してくれ」の隊長の言葉に、3人はうなずいて品物と共に消えた。
「・・・すごい」
「すごいじゃないぞ、ほら、官舎まで運転しろ」
「はいっ」
オレは慌てて、運転席に飛び込んだ。



「今日はどうもありがとう」
ルークさんが別れ際に頭を下げる。
「いえっ、こちらこそありがとうございました」
オレもおもいっきり頭を下げた。
コレ、と右手を振る。
ルークさんには通じたらしい、にこっと笑ってくれた。
・・・と、ジロッと視線を感じる。
隊長怖いです・・・。
「疲れただろうから、ゆっくりやすんでね」と言ってくれるルークさんに
「明日は丸一日休みだ。大丈夫だろ」と言う隊長。
「ハイ・・・」
オレは小さく返事をするしかなかった。
「じゃね」
隊長を横に、ルークさんは歩き出す。
「これ見つけたから、飲もう」
紙袋の中味を少しだけ引き出して、隊長に見せている。
隣の隊長の顔がほころんだ。



バフンッ。
ベッドに倒れこむ。
オレの初めてのルークさんとのデート(?)はデートにすらならなかった。
・・・でも。
右手の真ん中に光る指輪。
お礼でもなんでも・・・。
ルークさんからもらっちゃったのは確かだ。
「ふふふふふ」
思わずにやけて、声が出てしまう。
「タクト、気持ち悪いぞっ!」
AとBの声が飛ぶ。
い~~んだ、い~~んだ。
今夜はいい夢見てやるから。
もう一度、指輪を見て、にんまりしてからオレは目を閉じた。


------

タクトシリーズ、終わりです♪
最後、ダラダラしちゃってごめんなさい~(>_<)

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No title

クリロズ話ダウンロードされてくる中にこんな面白いエピソードがあるんですね。
気持ち悪がられて終わるって。可愛い方でした。i-179

☆m美ちゃん

> クリロズ話ダウンロードされてくる中にこんな面白いエピソードがあるんですね。
> 気持ち悪がられて終わるって。可愛い方でした。i-179

ありがとうございます♪
いや~~、今後もボツボツと面白い話も書いていきますので、
乞うご期待!
(って・・・期待させてて、はずしたらごめんなさい)
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アロマ・レイキの勉強中。
神秘幾何学なんかも大好きです。
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