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「──というわけで。ご了承願えますか?」
ルークが手短に自分の要望を伝えるのを、デオンは半歩後ろ、その背中とルークの話を聞いている総隊長の顔を見ながら聞いていた。
総体長は、ちらりとデオンに視線を向け、その後、端末へと手を伸ばす。
画面に表示された情報をチェックし、ルークに目を向ける。
「もともと君は、アレを使って、軍(こっち)へ来たんだよな?」
「ええ」
ルークは迷うことなく、返事をした。
アレと言うのは、国の施設間の異動希望のことだ。
その本来の異動先を、かなり強引に変えたのは、デオンだ。
ここでまた、ルークからの要望で異動となると、この二人に振り回されることになってしまう。
「本来、君の配属は技術・整備部門だったのだが。・・・今からの異動となると・・・」
そう考えながら、総体長が渋い顔をしながら、口を濁す。
「いえ、ですから、異動の希望ではありません。
 休日の時に、格納庫に出入りをさせていただきたい。その了承が欲しいのです。
 それも、休日の度にと言うのではなく、時間が空いた時にたまに」
そう言いながら、ルークがデオンを振り返る。
暗に、デオンと一緒の休みじゃないあくまでも暇な時だけだ、と伝えるために。
それは、デオンも前もって相談を受けていた。
総隊長もデオンに視線を向けるので、無言で頷く。
──構いませんよ、と。
「だが・・・」
まだ、逡巡している様子に、ルークが言葉を重ねる。
「メリットもあると思います」
「メリット?」
「ええ。第一に~~~~~~~」
ルークがメリットを次々とあげていく。
それを聞き終わり、総体長がチラッとモニタに目を向け、
「──それで、研究所付きの隊から、これだけ改善要望書が提出されたり、
 一番初めに新機種が導入されてたのか」
と、腑に落ちたようにつぶやく。
「ええ」
すんなりと頷くルークに、デオンは
『そこは、少し謙遜したらどうなんだ?』と内心思うものの、
ここで突っ込むことはできない。
総体長は「むむむぅ」と唸った。
デオンがいたからだと踏んでいたのだが、裏にいたのはデオンではなくてルークで。
デオンのコネを使って、いろいろとやっていたということか。
それでも・・・本来ならば、企業側には嫌がられることなのに、それもうまく丸め込んだらしい。
上げられたメリットから、「企業側も了承済みということか」そう言って、総体長は椅子の背に、ぐーっと背中を押し付けた。
「ええ、担当者には「君の名前で書類を上げて良いよ」と言ってありますので」
ルークがしれっとして言う。
後ろで、小さくデオンがため息をついた。
担当が換わっても、途切れることなく企画・改善が上がり続ける・・・。
結局は、企業側も状況を把握し、黙認し続けている。
と、総隊長はデオンに視線を向け「グラッシェアンス中尉はそれでいいのか?」と、確認する。
総隊長は次の異動の時に、どうにかルークを技術部門に異動させられないかと、デオンが目論んでいるのを知っている。
その上での質問にデオンは、一瞬言葉を詰まらせた。
そう──多分1年経てば、技術部門へと異動できるはずだ。
それを、今回のような扱いになれば、しばらくは異動できない。
この話はもちろん、相談を受けた段階でルークには話してある。
「1年我慢すれば、異動できるぞ」と。
──が、この変なところで頑固な相方は、「目の届くところにおいておいて、放さないって言ったの誰だっけ?」とさらりと言って、聞く耳を持たなかった。
あの時ほど、俺が以前とった──自分の隊にルークを配属させた──行動を悔やんだことはないだろう。
いや、ルークがエルンストと対戦した時の方が、かなり後悔をしたか。
そんなことを思い返しながら、デオンは重くなりがちな口を開き、
「異存はありません」と答えた。
その答えを聞き、総体長はほんのちょっとだけ目を開き──びっくりしたのだろう──「ふーん」と思案顔になった。
今、彼の頭の中は、デオンの思惑をフルスピードで考えているのかもしれない。
「──それに、総体長?」
と、ルークが切り出す。
「なんだ?」
「この間、私のことを囮に使いましたよね?」
突然の言葉に、総体長もデオンもぎょっとする。
そして、一瞬の間。
「わかった。認めよう」
総体長が笑いながら、許可を出した。



「ルーク、お前な・・・・」
「何?」
総体長の部屋を辞して、帰り道の廊下。
デオンは半ば呆れながら声をかけた。
「あれはないだろう・・・」
「あれって?」
当の本人は全然思い当たることなどないらしく、ストレートに聞き返してくる。
「囮の件だ」
ため息をつきながら、答えれば。
「ああ」とようやく合点が言った様子で、珍しく、「ふふ」と笑い声を漏らす。
「いや、だって、あれだけメリットをあげたんだよ?
 それでまだ迷っているみたいだから。──後押し?」
「・・・・・」
開いた口がふさがらないと言うのは、こういうことなのだろ。
「俺に、職権乱用するなとか言いながら、お前もあくどいよな」
デオンが素直に思ったままを口にすれば、
「交渉でしょ?」そういって、ルークは涼やかな顔をしてデオンの顔を見た。


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ええ、こういうことがあって、前回記事“無骨者のラブレター”につながります。
こと仕事絡みでは結構、腹黒いぞ~、ルーク。
・・・って、本人は腹黒いなんて思ってなくて。
デオンに指摘されても、
「え?わかってる?専門機械って高いんだよ?
 それを少しでも安く納品させるためには、駆け引きも必要なんだよ。
 空いている時間に評価して、改善点やコストダウンの提案を出したりして、
 持ちつ持たれつやってかなきゃ」
って。
ええ、趣味と実益を兼ねてます。
趣味って言ったって、手を抜かない。
だから余計忙しかったのか・・・。

結局は似たもの同士なのかもしれない・・・(>_<)
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