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寮監の*****の部屋に呼ばれた、デオン、++++、$$$$$、ルーク。
テーブルを挟んで、デオンの向いが++++、ルークの向いに$$$$$。
*****は立っている。
「詳しくはざっと聞いてきたが。ルークの怪我の件で揉めた、それでいいんだな?」
確認されて、4人で頷いた。
「そんなにひどいのか?ちょっと見せてみろ」
そういわれ、服をめくり上げた。
「うわ、こりゃまた・・・」
「いっ」
傷を押されて、声が出る。
むっと*****を見上げれば、「悪い悪い」と笑われた。
「俺は、誰がやったか知っている」
「えっ」
キッパリ言い切った*****にあとの3人が目を丸くする。
「知ってるんですか?」
3人そろって同じ様なニュアンスの質問。
「もちろん。寮監だしな」
うんと頷く*****。
「ま~、誰って言うわけでもないんだよな、ルーク?」
そう言われ、頷く。
もしかしたら、誰かとルースがケンカでもしてした怪我かもしれない。
だけど、自分には“誰か”まではわからないのだ。
第一、うっかりものの兄だから、羽目を外して怪我をした確立のほうが高いだろう。
「ちょっと待って下さいよ、誰かわかるって言って、誰でもないってなんなんですか」
++++が*****に食いついた。
他の二人も同感という顔だ。
「う~ん。意外と説明、難しいのな、これって」
上目遣いで、言葉を探す*****。
「ルークが双子なのを知っているか?」
頷くデオンと、「えっ?」と言う++++と$$$$$。
「それも、一卵性双生児だ」
「・・・って、同じ顔が二つ?」
$$$$$がイメージしているのだろう、ちょっと上を見ながらルークに聞いてきた。
「まぁ、そんなところです」
「へぇ~。○○○○んとこと同じかぁ」
感心したように++++が言う。
○○○○というのは++++や$$$$$と同学年にいる双子で、もちろん一卵性双生児だ。
この二人は性格も似通っていて、ルークから見れば、自分達よりも更に見分けがつかない双子だと感じているほどだ。
「一卵性双生児の不思議って知っているか?」
「聞いたことある。どっちかが風邪をひくともう片方もひくとか」
$$$$$が答える。
実際に、○○○○兄弟は、同時期に風邪にかかったらしく、
「あの時はびっくりするというか、笑ったというか・・・」
と、引き継いで++++が言う。
「つまり、ルークもそうだと?」
無言で聞いていたデオンが*****に確認する。
「そういうことだ」
きっぱり言う、*****の顔を見てから、デオンはルークの方を見て「本当か」と聞く。
「うん」
さっき言おうと思ったけれど・・・と付け足したかったが、余り余計なことは言わない方がいいだろうと、返事だけする。
「そうか・・・よかった」
そういって、顔を緩ませ、ほっとため息をつくデオン。
その姿を見て、『もっと前に言っておけばよかった・・・』と胸が痛んだ。
++++と$$$$$も納得したようで、デオンに悪かったと頭を下げている。
そんな様子を微笑ましげに見ていた*****、ふと思いついたように「それにしても、それはひどいな。ちょっと待て」と言って、通信機をかける。
家に問い合わせた結果、ルースが剣術の授業後、プロテクターを外してふざけているうちに勢いよく用具の上に転倒していたことがわかった。
「じゃ、時間が過ぎてるが、大目に見るから、風呂入って寝ろ」
*****がそう言って、4人を部屋から送り出す。
「失礼します」
そう言って、風呂へと足を向けた。


風呂へと向かう廊下。
先行く、++++と$$$$$の背中を見ながら、
「デオン、ごめん」
とルークは謝った。
「隠すつもりはなかったんだろう」
そう言われ、頷く。
「当たり前のことだから・・・周りが気付いているとか、思わなくて」
そして集団生活なんて初めてで、自分の怪我がそんなに人目を引くとは思っていなかったのだ。
「それならいい。
 クラスや学年でうまくいってなくてじゃなければ」
隣でデオンが呟くように言う。
それを聞いて、うわっと思う。
飛び級で学校に入っている自分は、クラスでも学年でも最年少だ。
やっかみを受けたり、いじめられているのではないか・・・そんな風にデオンが考えても仕方なかったのだ。
一番側にいて、相談されない・・・そう思っていたのかもしれない。
思わず、右腕を取って、
「ごめん!何かあったら、必ず相談するから。絶対」
と力をこめて言った。
と、そこにはびっくりしたような顔。
その顔がにっこり笑って、「わかった、わかった」と頷いた。


「いたっ」
前に身をこごめようとして、とっさに声が出た。
「どうした?」
隣でかけられる声。
「いや・・・シャンプーしようと思ったら、ここがつれて」
痛んだ箇所を押さえながら答える。
ゆっくりと体をかがめれば何とかなるだろう。
「ああ、そうか」
納得した答え。
デオンが隣でタオルを湯にくぐらせ、絞っているのをボーっと見ながら、意を決して。
と。
「ほら、洗ってやるから。目」
差し出されるタオル。
「痛むんだろう。そのままの格好だと、お湯かけたら目に沁みるだろうが。それで目押さえろ」
「え、ええ?」
「いくぞ~」
「うわ、待って、待って」
慌てて、タオルで目を押さえる。
その直後にお湯が頭から降り注いだ。
「ちょっと、もう少し丁寧にっ」
シャワーの音にかき消されないように大き目の声で言う。
と、かけられていた湯が止まる。
「贅沢言うな。シャンプーするぞ」
「ちょっと待って」
慌てて、すっかり濡れたタオルを絞り、目にあてる。
見計らったかのように、シャンプーが始まった。
「デオン、甘やかしすぎだぞ・・・」
一緒に入っていた、$$$$$から声が飛ぶ。
方向からすると、既に湯船に浸かっているらしい。
「ケガ人だからだろ。あんたがケガしたら、やってやろうか?」
そんな声をかけながら、デオンの指が頭皮を滑る。
「不要だ」
わははははと笑いあう3人の声を聞きながら、
『あ~、ルースだと爪があたって痛かったけど、デオンのは力加減もいいかも・・・』
そんなことを思っていた。
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「ルーク」
声をかけられ、はっとする。
右肩には手も置かれている。
もしかしたら、何度となく声をかけられていたのかもしれない。
そう思いながら、デオンの顔を見上げれば、もうすっかり慣れたものなのだろうか、
「ルーク、俺、風呂行くけど、お前はどうする?」
気にしていない様子で、たずねてきた。
「あ、行く、行く」
返事をしながら立ち上がり、ちらりと時計を見れば、最後に時計を見たときからかなり時間が経っていた。
寮の各部屋にはトイレと洗面台はついているが、浴室はついていない。
ブースで区切られたシャワールームと大浴場があるが、風呂好きのルークは大浴場がお気に入りで、長湯を毎日楽しんでいる。
いそいそと支度をして、デオンと風呂へと向かった。

「ルーク、それどうしたんだ」
グイとシャツをめくり上げ、脱ぎ、後は手を抜けばいいところでデオンに声をかけられた。
「え?なに?どうしたって?」
言われた意味がわからず、確認しながら交互に手を抜く。
洗濯をすればいいだけなので、ざっとたたんでTシャツをポイッと棚に放り込む。
「ここだ」
「いっ」
グイと背中の一部を押され、ピリッと痛みが走り、つい声が出る。
「うわっ、ルーク、それどうしたんだ?」
ルークが上げた声に気付き、***まで声をかけてきた。
痛みが入ったところを、身をよじってみようとするのだが、うまく見えない。
「ここだ」
グイと腕をとられ、鏡の前に連れてこられ、鏡を通してみたそれは、広範囲の痣だった。腰の少し上から肩甲骨の下辺りの右側ひ広がっている。
『ああ、ルースの奴ったら。向こうはかなりの大怪我かも・・・』
そんなことを思って、あざを見ていると、
「わざとらしいんじゃね~の」と、声が飛んだ。
声の主を見れば、1つ上の学年の++++。
++++の隣の$$$$$も声にしこそしないが、同感という顔でこちらを見ている。
「わざとらしいって何がだ?」
むっとしながら、聞くデオン。
「だからさ~、それだよ。いかにも心配しているって感じだけど、お前がやったんだろう?」
++++がデオンに言う。
この二人、学年はデオンが上だが、年は++++が上だ。
ルークが入寮してからまだ1ヶ月ほどだが、この二人の仲の悪さはルークにもわかるほどだ。
脱衣場にいた全員が、デオンと++++の会話に注目している。
「ふざけたこと言うな。なんで俺が」
「だって同室だしなぁ・・・」
含ませをもって、言う++++。
「あ、あの」
気まずい雰囲気をどうにかしなくてはというのと、実際のことを話そうとルークが口を開いたが、誰も聞こうとしない。
「第一、今までだってあったじゃないか。体のあちこちに痣が。
 今になって、言うなんて、わざとらしいよ」
$$$$$が++++を後押しするように言う。
「俺だって気付いてたさ。でも、本人が気にしてないから聞かなかったんだろう。
 今日のは余りにもひどいからだ」
憮然としてデオンが言い返す。
「どうだか~」
他から飛ぶ野次。
「デオンがそんなことするはずないだろう」という声。
脱衣所内が騒然としはじめる。
もう一度、今度は大きな声で「あのさ!」そう言ったとき。
「はい、そこまで!」
もっと大きな声がかけられ、みんなが無言になり、脱衣所の入り口に視線を向けた。
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