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「それにしても・・・よく大丈夫だったな。慌てなかったようだし」
廊下を歩きながら、フェーンが声をかけてくる。
「うん。・・・エルンストのおかげかな、やっぱり」
「え、エルンスト?」
エルンストに気に入られて以来、しょっちゅう奇襲をかけられている。
おかげで、出し抜くためにいろんな手段を覚えざるをえなかった。
魔法だってしかり。
軍隊や一般で使うような魔法は、エルンストも解くスピードが早い。
結果として、一般的でないものまで覚える羽目になったし、解くために時間がかかる組み合わせなんてのも覚えた。

実際に、3人とわかったときはどうなるかと思ったが、一人一人に別行動をさせていれば意外と何とかなるものだ。
「ひょろい」と言われるこの体も、3人を油断させるのに一役買ったようだし。
一考して、フェーンは納得したように頷く。
「エルンストに比べれば・・・確かにな。ああ、でも、本人には言うなよ?」
「何を?」
「エルンストのおかげだって」
「????」
本当にエルンストのおかげと思って感謝しているのに、伝えてはいけないのはなぜだろう?。
フェーンの顔を見れば。
「調子付くからな」
そう言われた。
『調子付く??』そう思いながらも、とりあえず、頷いておく。
「あ、それと、隊長にもだ」
更に言われ、また「?????」だ。
“調子付く”エルンストにはまだしも、なぜデオンに言ってはいけないのだろう?
隣でフェーンが盛大なため息をついた。
「どうしてもだ。わかったか?」
慌てて、頷いた。

--------------

・・・って、注意を受けたことをすっかり忘れて、
エルンストにも、デオンにも「エルンストのおかげで」ってポロって言っちゃったんですよね。
その結果・・・・・・は。
ご想像にお任せします。ははははは・・・・

淡々と、そしてかなり控えめに書いてますが、この前の回は、むっか~~でした。
フェーンがかわりに怒ってくれているから、怒りを出さなかっただけのようで。
『あのくそオヤジ~~』みたいな感情がビシバシ湧いてきましたわ(笑)
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「!?」
部屋のドアを開けて思わず声を上げそうになる。
両サイドに人影。
『見張りか!?』
一瞬にして、冷や汗が出てくる。
その可能性を考えず、油断していた自分に歯噛みをしそうになった時、その人影二つは自分に構うことなく、部屋へと踏み込んで行った。
「え?」
ドアの前でしばし呆然。
何が起こったのかわからず、身を返し部屋の中を覗き込もうとした時、声がかかる。
「ルーク!」
慌てた、フェーンの声。
駆け寄ってきて、がしっと肩を掴まれた。
「大丈夫かっ」
その問いかけに、無言で頷く。
「間に合ったか~」そう言いながら、フェーンは大きく息を吐いた。
「*****(ルークの苗字)」
呼ばれて、振り向く。
部屋のドア近くに、先ほど入っていった一人が戻ってきて、ルークを呼んでいた。
「はい?」
「これを解いてくれ。私の知らない捕縛魔法だ」
そう言われて、部屋の奥に足を進める。
男達のそばにいた、もう一人が、ルークの顔を見て、
「一人一人順に解くことはできるな?」ときいてきた。
「もちろんです」
フェーンが部屋の中をのぞいて、「警備兵長がどうしてここへ?」と聞いた。
「仕事だ」
ばっさりと言い捨て、警備兵長といわれた男は端末を取り出す。
「踏み込んでいいぞ」そう一言いうのが、魔法を解くルークの耳に届いた。


「失礼します」
一声かけて、ドアの内側へと体を入れる。
フェーンも入ってくる。
二人の視線の先にいる男がにっこり笑いながら言った。
「おお、今回はご苦労だった」
それは、総隊長だった。
「ありがとうございます」
そう言って、二人で頭を下げる。
「・・・・・・・・」
その後は3人で無言だ。
てっきり事の顛末を聞かれるかと思ったが、一向に切り出す様子がない。
困惑して、チラと隣のフェーンを見遣れば、フェーンも戸惑っているようだ。
「*****(ルークの苗字)、何か私に聞きたいことか、言いたいことはないかい?」
そう促されれば、確認したいことはもちろんある。
・・・が。
「フェーンは・」
「もちろん、いても構わない」
きっぱりと言われた。

「総隊長はご存知だったんですね?」
にやりと、総隊長が笑う。
──肯定。
「私はおとりだったんですか」
想像通りの返事に、ため息をつきながら言う。
隣で、フェーンの肩が跳ねた。
「おとりって?まさか・・・」
総隊長とルークの顔を交互に見ながら、つぶやく。
「退役した者、数人から密告があってな」
総隊長がぼそりと言う。
「ほぼ犯人は特定できていたんだが」
「尻尾がつかめなかった訳ですね?」
「そうだ」
「だからと言って、なにもルークを・・・。第一、グラッシェアンス中尉に知らせてあるんですか?」
隣でフェーンが言う。
「知らせるわけないだろ」
「なんですって」
食って掛かりそうになるフェーンを押しとどめる。
「フェーン、俺が襲われるかどうかは確実じゃなかったんだから。好みってものもあるだろう」
100%確実に襲われるとわかっていたら、デオンに相談することもできただろう。
「今までのパターンから言って、可能性は高いとは踏んでいたのだが。構えられても困るしな」
総隊長が言う。
「間に合わなかったら、どうするつもりだったんですかっ」
バシンッ
フェーンが総隊長と自分達を隔てる、ディスクを叩いた。
「フェーン・・・」
自分のことのように、怒ってくれる仲間に、ジーンとしつつ言う。
「大丈夫だったんだよ」
「?」
「あの部屋のカメラは一つだけじゃなかったんだ。そうですよね?総隊長?」
「もちろん、音声も入る高性能のものを5台設置してあった」
「そして、いつでも踏み込めるように、ドアの外で警備兵長が待機していたんですよね」
ドアを開けたときに、両サイドに二人がいたのはそんな意味があったのだ。
「他にも、あの3人にも発信機をつけてあったし。他にも・・・余り詳しくは言えないがな。
 それにしても、*****が中尉の庇護なしでも大丈夫なことも。
 デオン班の足手まといにはならないこともわかったし、知力も胆力も充分と言うことがわかってよかったよ。
 ああいう場で、あんなに落ち着いていられるとはね。
 これで、君の評価もうなぎのぼりってことだ」
目の前の総隊長はにこりと笑った。
もみ消すように対処せず、事をおおっぴらにするということか。
脅しを受けていた被害者がほっとするように。
そうすれば、嫌でも自分が絡んだ事だというのもわかるだろう。
以前、デオンが総隊長のことを「食えない男だ」と言ったが・・・、
『まさに、「食えない男」だなと』ルークは思い、そっとため息をついた。
「では、失礼します」
そう言って、部屋を辞そうとすると、
「あ、そうだ。あすこで、なんで体重?」
総隊長が聞いてくる。
「体重??・・・・ああ、力加減を知りたかったもので」
「力加減!?そうか、わははは」
「失礼します」
理由を聞いて、笑い出した総隊長を部屋に残し、今度こそ部屋を辞した。
そして、自分を見下ろしているのは、確率が低いとみなした“見える”男。
違和感をほぼ感じさせない時間で解除できるのは、“見えるなら”ではだろう。
さっとなで上げたような黒髪。知的な感じを匂わせる大きな額。
力を抜いた自分に、男は
「抵抗はしないんですか?」
そう言って口元をゆがめた。
「シールドさえとってしまえば抵抗できないんだろう?」
「中尉殿の庇護がなければ、何にもできないってことか」
言葉の後に品のない笑い声。
顔を向ければ、20代前半と思しき青年二人。
近寄ってきて、黒髪の男の顔の両側から顔を出して、ルークを覗き込んだ。
『3人か・・・』
この手の部屋には必ず防犯カメラが付いているはずだが。
ちらりと位置を確認すれば、レンズの前に何かが張り付いている。
あの分だと、この部屋は無人ということになっているのだろう。
「押えるのを手伝おうか?」
一人が、声をかける。
「いや、大丈夫のようですよ。もう諦めているようですから」
ね、と二人に視線を向けることなく、男が見下ろしたまま笑う。
「情けないな~」
「ここで抵抗しておかないと、中尉殿に申し訳ないとかってないの?」
「・・・・・・・」
「だんまりかよ」
一人が、立ち位置を変えた。。
その手に、きらっと光るもの。
「あ、後で言いつけようって思ったって、ダメだぜ。ほら」
手の向きを変えて、見せられたものは、ビデオカメラだった。
『──常習犯か』
手馴れた様子から、そうじゃないかと思っていたが。
思わず、顔が引きつる。
「状況がわかったようだな」
黒髪の後ろで、青年二人がにやっと顔を見合わせる。
「それにしても、今まで一番おとなしいな」
「暴れもしないし、叫びもしないんだから」
「ここまでおとなしいと、なんか物足らないな」
「暴れられると、燃える?って~の?意外とシュチュエーションも大事なんだな」
「口をふさがないってのも初めてだよな?そういえば」
「いつもはぎゃーぎゃーいう奴ばっかりだもんな」
「・・・言い返さないんですか?」
黒髪の男が、後ろでされている会話を聞きながら、半分呆れたように訊ねてくる。
それに、首を振り。
「体重は?」と聞いた。
聞かれた男は、目を丸くする。
そして、後ろにいた男達も。
「私の体重ですか?」
聞き返してくるのに、肯く。
「うわ~、大丈夫?自分の心配よりも人の体重?」
「信じられない」
後ろの二人がまた、顔を見合わせ、とうとう「ぷ・・・」「うくくく」と笑い出した。
「68キロですけれど、それが何か?」
うるさくなった背後に、眉をしかめながら、黒髪が答えた。
「大丈夫だよ。おたくの中尉殿よりは、俺達皆軽いもんな」
「言えてる!」
そういいながら、更に大笑いをする二人。
その様子を見ながら聞かれたことに返事をした。
「・・・の・・・・・・に」
「え?聞こえません」
後ろの大笑いに、聞きそこなった黒髪は、口元に耳を寄せようと、体を乗り出した。
そのほんの一瞬。
伸ばしていた足を曲げ、黒髪の体の下へ滑り込ませ、勢いよく蹴り上げる。
シュミレーションどおり、体をねじり、倒れこむ黒髪を避ける。
そして、黒髪の右後方にいた男の足を払う。
左側の男がルークに向かおうとして、黒髪に躓きそうになり、たたたらを踏んだところで、右側の男が倒れこんできて。
それをとっさに受け止めようとして、受け止められず倒れこんだ。
その3人にしっかりと捕縛魔法をかけた。
体重をかけられて、キシキシと痛んでいた両腕を確認し──しばらく痣になりそうだ──、視線を3人に向ける。
『しばらくは大丈夫か』
そう判断して、フェーンを呼ぶべく、部屋のドアへと向かった。
ダンッ
違和感に気付いた時には遅かった。
「・・・っ」
押し倒されて打ち付けた、背中、後頭部の痛みに顔をしかめる。
そして、自分の両腕を押さえつけながらのしかかっている男の顔を見上げる。
『油断したな・・・』そう思って、身体に入っていた力を抜いた。


 「明らかに安全な奴は、+++++、***、###・・・」
 フェーンが名前を挙げていく。
 「ちょっと待って。+++++?***??#####??」
 名前を繰り返しながらも、誰一人名前と顔が一致しない。
 「・・・まさか、わからないのか?」
 テーブルを挟んだ向かい側の顔が、しかめられる。
 「悪い」
 “悪い”と口にしつつ、実際には悪いなどとは思ってない。
 頻繁にコミュニケーションをしない限り、覚えない性質なのだから。
 「じゃぁ、感覚的なもので判断だな。危険そうな奴は近づけない」
 ため息をつきながらフェーンが言う。
 言われた意味をしばし考えて、
 「・・・・・・無理・・・・というか・・・わからない?」
 と返事をすれば。
 「はぁぁぁ」
 あからさまに、大きなため息をつかれた。
 「・・・努力はするけれど」
 ぼそりと付け足す。
 訓練で多少なりとも感度は上がってきている物の、基本的に“察する”ということを今までほとんど放棄してきたようなものだから、今になって急に、全開にしようとしても無理だ。
 せいぜい、1日・・・もって半日が限度だろう。
 そして気付く。
 「いっそのこと・・・。不在期間は、シールドを張ったままで過ごすとか?」
 見える者からしたら、シールドが張られていても、解除してルークに触れることができるだろうが、基地内に残っているメンバーで、見える者、更に襲撃を考える者がいる確率はかなり低いだろう。
 「・・・それだな・・・」
 納得がいかないが、それしかない、そんな気持ちを感じさせながら、フェーンが答える。
 「ただし、数時間毎に変えること。パターンを組まずにランダムにしろ」
 「・・・はい・・・」
 神妙に肯いた。


--------------

※軍に所属する軍人さんは、見えなくても、触れたり、掛けられたりした結果、○○系の魔法とあたりをつけて、その中でも一般的なものから一つ一つ試していけば、解除できるように訓練してた気がします。
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