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「・・・ってさ~、聞いてる?」
カレンが、ルークの背中をビシビシと叩く。
酔っていて、加減ができないようで、痛い。
ルークの全快後、班の研究方針をまとめ上げ、教授からO.K.をもらったお祝いにと、5人で研究室に酒やつまみを持ち込んで飲み会をしていた。
「うん、聞いている」
こと細かく、自分が熱を出した時のことを聞かされた。
「──で?カレンは何が言いたいんだ?」
余りにも長すぎて、カレンが言いたいことの意図がつかめない。
『酔っ払いのたわごとで済ませてもいいのだろうか?』
とすら思えてくる。
「つまり、カレンはデオンさんがルークを構い倒すのが面白かったんだと。
 で、どういう関係か?と聞きたいんだよ」
タイラーが簡潔に言う。
「構い倒す??
 え、あれって構い倒されてる?」
ルークは率直に答える。
昔からあんな感じだが。
ルークの答えを聞いて、2人はガックリと肩を落とした。
「そりゃ、あんなに世話やかれていたじゃないか」
セインまで言う。
「ふ~~ん」
ルークはまったく自覚していない様子で、他人事のような返事だ。
「ふ~~んって・・・」
セインがたしなめようとすると、
「ま、言葉通りなんじゃないの」
アルフが言った。
二人から聞いた様子からだが、子どもがいるアルフからしてみれば、デオンの構い倒しは、自分に・・・というよりは妻に似たものを感じた。
第一、二人が恋人同士とかならば、そこはかとなく流れる空気というものがあるはず。
もちろん、短時間だけ会った自分が感じなかった可能性もあるが・・・、そういったものは感じられなかった。
「“生活感がないので、時々様子を見に来てます”って本人も言ってたし。
 ある意味、保護者か・・・兄みたいなものなのかもな。
 できの悪い弟を持った」
アルフは自分の感じたままを、口にしてみた。
しかし、残りの3人は若干、納得いかない顔をしている。
・・・が、実際にはきっとそうなんだろうなとも思う。
このルークなのだから。

「あ~~、言われてみれば・・・。
 実の兄よりも、兄らしいかも」
ルークが、アルフの言葉を聞いて、ボソッと言う。
「えっ、ちょっと待った!」
カレンが言う。
セインは思わず腰を浮かせる。
タイラーとアルフも顔を見合わせた。
「うん???」
ルークが首を傾げる。
「ルークって、お兄さんいるの!?」
噛み付きそうな勢いで、カレンが聞く。
「うん、いるよ。あれ?言ってなかったっけ??」
「「聞いてないよっ」」「「聞いてないぞ」」
4人の声がはもった。

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「・・・すごいな」
「・・・うん」
さっきと同じやりとりをしている二人。
リビングの入り口で立ち尽くしている。
目に映るのは・・・ルーク。
二人が来たのにも気付かず、積み上げた本のページを勢いよくくくっては、メモを挟みブツブツ言っている。
集中している時のルークはいつもこんなだが、
「熱・・・下がったばかりだよな」
セインがつぶやく。
「なんでも、熱でうなされている時に、
 アイディアが浮かんだんだと忘れないうちにって、
 起きてからずっとあれだ」
それを耳にしたデオンが、飲み物を出しながら、言う。
明け方近くになり、熱が下がり、やっと熟睡。
お昼近くにガバッと起きてから、こんな感じらしい。
二人は促されてソファに座った。
手馴れた様子で、ルークが積み上げた──多分、目を通した後と思われる──本の塊をよけ、食事の準備を始めた。
すべて、準備が整ったところで、デオンが、「ルーク」と声をかける。
もちろん、反応はなし。
肩に手をかけ、「ルーク」と呼ぶ。
「そんなんじゃ、ダメだって、ガンガン揺らさなきゃ」
カレンが立ち上がろうとする。
「ああ、デオン」
ルークがふと、気がついた。
手を洗って来いといわれ、ふらふらと立ち上がって、洗面所に消える。
「い、今、何した?」
「あ?」
ガンガン揺らしてもなかなか気付かないルークが、すぐ気がついた。
どうやって?
カレンはもとより、セインだって知りたい。
が、デオンは「たまたまタイミングがよかっただけだろう」と言って流してしまう。
『ああ~~、この二人はどういう関係なんだ!?』
カレンとセイン、二人の疑問はさらに深まった。



「あのさ~、ルーク、ちゃんと紹介しようとは思わないの?」
食事の合間、カレンがルークに問う。
「え、何が?」
一人だけ3人とは違う食事──リゾットのようなもので湯気が立っている──をふーふー冷ましていたルークが返事をする。
「~~っ、だから、グラッシェアンスだよ、俺たちほぼ初対面なんだけどっ」
「え・・・そうだっけ?」
その言葉に、脱力するカレンとセイン。
「普通に話しているし、仲良さそうじゃん」とまで言う。
「だーーー、それは、グラッシェアンスが気を利かせて・・・。
 俺たち同じ年だってわかったから、こうやって」
カレンは言いながら、段々と馬鹿馬鹿しくなってきた。
実際、買い物に行く前、デオンが「多分、自分の方が年下だから言葉は気にしないでください」と言い出すまで、お互いがかなり気を使って話していたのだ。
カレンとセインはデオンの方が年上だと信じていたし。
結果、確認してみれば、3人とも同じ年で、じゃ気楽に行きましょうとなったのだが。
『こういう奴だとはわかっていたけれど・・・』
「はぁぁ」
カレンは盛大に溜息をついた。

「えっと、デオン。***からの付き合いの友人。あ、先輩?
 んで、こっちがカレン。あっちがセインで、研究室の友人」
「思いっきりはっしょっているじゃないか~!」
フルネームですらなくて、こっちだのあっちだの、カレンが怒る。
「まあまあ、落ち着いて」
セインがなだめる。
当の本人はもう、済ました顔で食事を続け、先輩がプラスされたものの、同じ友人カテゴリーにまとめられたデオンはと様子を伺えば、全然、気にしていない様子だ。
「よろしく」
そういって、改めて二人に頭を下げる。
「いえ、こちらこそよろしくお願いします」
セインはそう言って、ぐいとカレンの頭も一緒に下げた。
「・・・って感じ」
カレンとセインは昨日の顛末をアレフとタイラーに語って聞かせていた。
最上級課の生徒専用部屋でのこと。
「君達、ルーク君のところに言ってきたんですか?」
「は、はい!」
予想だにしていなかった、声をかけられ、飛び上がるようにして、セインが答える。
いつのまにかドアが開けられ、担当教授がにこやかに立っていた。
『気配感じなかったぞ!?』
『こ、怖えぇ』
それぞれ、目で会話する。
「大丈夫だったでしょう?」
「はい」
セインとカレン、二人で返事する。
「デオンくんが来ている時は、彼に任せておけば大丈夫。
 私も鬼じゃないんですから、あのルークくんが一人なら、
 ちゃんと君達に様子を見に行くよう、言いますよぉ」
ふふふふと笑う。
「センセイ、グラッスアンスのこと知っているんですか?」
驚いて、カレンが聞く。
「グラッシェアンスでしょう。
 知っているも何も、彼だって科は違うもののここの生徒でしたし。
 卒業後もちょくちょく顔を出しているじゃないですか~。
 第一、昨日連絡をくれたのは彼ですよ」
ルークくんがよくなれば、彼も顔を出すかな~、などと一人つぶやき、教授は行ってしまった。
「ええっ、ちょくちょく!?」
カレンの声が響いた。

「そんなに気になるならさ、連絡してみればいいだろう?」
アルフが言う。
「だってなぁ・・・」
セインとカレンは顔を見合わせた。
2年余分にルークと付き合いのある自分達が、今までデオンに会ったことがないのが無性に気になっているのだ。
「夕飯をご馳走になった御礼に~って、
 昼ごはんでも買っていけばいいだろう」
タイラーがアイディアを出す。
なんだかんだ言っても、アルフとタイラーも、あのルークを構い倒す男というのに興味がある。
「そ、そっか。連絡してみるっ」
そういって、カレンは部屋を飛び出していった。



ルークの家までの道。
ふと、視線を上にあげた、セインが足を止める。
どうした?と怪訝な顔で、セインの視線を追ったカレンも足を止めた。
「・・・・・・すごいな」
「・・・うん」
ルークの部屋のベランダに並ぶ洗濯物。
その光景は、圧巻だった。
学生という身分上、洗濯する間があったら、勉強・・・もしくは遊びに時間を使いたいと、自動で洗濯・乾燥してしまうものが多い。
セインもカレンも洗濯から乾燥まですべてマシン任せにしていた。
その上、学園都市ともいえる****、中でも主に学生用の寮・マンションが並ぶこの地域では洗濯物を干している家は稀だ。
実際、見上げたルークが住むマンションでも、目に入る周りの棟でも、洗濯物を干している家は片手で足りるほど。
その、洗濯物を干している家の中で、今日、ダントツに目を引くのがルークの家。
ベランダの手すり全体を使ってきっちりと干された、シーツ。
渡されたロープにぶら下げられた洗濯物の量。
「あれってさ~、どう考えてもルークじゃないよね」
カレンが言う。
「そりゃそうだ」
「・・・ってことは。やっぱり・・・」
『デオンか』
二人はまた顔を見合わせた。

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