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視線の先には、ゴムを銜えたまま、髪の毛を手でまとめているエルンスト。
視線を若干下に向け、真剣な面持ちでいる姿は、凛としている。
そうこうするうちに、ゴムを手にして髪の毛を襟足から少し上のところで縛り上げた。
普段、口数も多く、軽い口調の男だが、いざ剣を持った時の集中力は違う。
「じゃ、始めますか」
そういわれ、お互い、距離をとる。
向かい合い、礼。
「久しぶりだよね」と言われて、ルークは微笑んだ。
何万年もの時を、久しぶりというなんて。
(でも・・・実は、数十年前も、数百年前にだって自分達は姿を変え出逢っているのだが)

キーン
剣の歯と歯があたり、音が響く。
若干ルークは押され気味だ。
『やっぱり、長剣練習を逃げていた報いだな』
クリロズに存在するようになり、それなりに体も武器もメンテナンスしてきたが、
長剣だけはめったに持つ気にならなかった。

それが久しぶりに手にし、こうやって手合わせをすることになったのには、
時代が変わりつつあるから。
武力をもって何かするというのではないが、こうやって体を鍛えておくこと、
動けるようにしておくことは、今後のフットワークにもつながる。
最近、そんなことを考えるようになっていたルークに、
「たまには、剣の手合わせなんてどう?」と言ってきたのがエルンストだった。
二つ返事で引き受ける。
というか、願ってもない申し出だった。

「脇が甘い」
そういって、エルンストが剣を振るう。
ガッ ヒュン
それをカバーした後、すぐに剣の向きを変え、攻めに転じる。
カン カン カン ザッ
すべての攻撃をエルンストに止められ、距離をとる。

「しばらくは、長剣で練習だな」
そういって、エルンストがにやりと笑った。
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チャイムが鳴る。
セインとカレンは顔を見合わせる。
お互いが思うこと。
出た方がいいのか?
ガチャ
ためらっているうちに、玄関のドアが開く。
玄関へのドアを開けたままだったので、リビングにいたカレンからは様子が見える。
「なんだ、グラッシェアンスか」
そういって、無意識に入れていた力を抜いた。
・・・と、手にぶら下がるたくさんの荷物。
「だ、大丈夫か?」
慌てて、立ち上がり、デオンに駆け寄る。
「持つぞ」
そういって手を伸ばすと、
「じゃ、これを」
と、紙袋を渡される。
袋から感じる温かさと、開いた口から立ち上って香る、パンの匂い。
「あ、うまそう」
思わず、声が出た。
カレンを残して、デオンはリビングに急ぐ。
買ってきたものを、とりあえずテーブルの上におき、迷うことなく一つの袋に手を伸ばす。
小さな箱を開けながら、寝室に入って行った。


「どうだ?」
デオンは跪きながらセインに声をかける。
「さっき一度目を冷まして、水を飲んだ」
枕元に、箱から出した──体温計を置き、ルークの額に乗るタオルを取り上げた。
ベッド下においてある、洗面器の水にタオルを浸し、絞り、それをルークの額に乗せる。
乗せた、タオルに手のひらをそっと置く。
流れるような動きをセインはただ側にいて見ていた。
視線を感じ、ふと振り返ると、カレンが部屋の入り口で様子を伺っている。

「・・・デオン」
うつらうつらとしていたルークが言い、閉じていた目を開く。
『「誰?」じゃないんだ』セインはルークの言葉の差に気付く。
デオンは枕元に置いた体温計を手にし、
「体温計を買ってきた。ほら、計ってみろ」
そういって、ルークに差し出す。
「うん」
だるそうに・・・それでもルークは体をねじり、左手を伸ばす。
「あ、そうか」
デオンはルークの伸ばされた手を軽く押し戻し、
「俺がやるからいい」
そう言って、ベッドの端に左腕を付き、ルークの襟から体温計を持った右手を入れる。
左手で右腕を軽く持ち上げ、体温計を挟みこんだ。
「しばらくじっとしていろ」
そう言って、部屋を出て行った。

デオンは買ってきたものをごっそり抱え、キッチンに向かう。
てきぱきと冷蔵をあけ、しまっていく。
とにかく動きにムダがない。
そして最後、ごそごそとしている。
何をしているのか気になったカレンは、そっと立ち上がってカウンター側から覗き込んでみる。
「水枕?」
デオンが手にしていたのは、箱から取り出した水枕だった。
「ああ・・・。
 一人暮らしするなら、買っておけって言ったんだけど。
 体温計も買ってないし・・・まったく・・・」
そういいながら、ざっと水枕を洗い、買ってきた細かい氷をザラザラと枕に詰めている。
最後に、水を入れ栓をする。
・・・と、それを片手に、洗面所に入っていく。
「あれ?」
『寝室じゃないのか?』と不思議に思うが、出てきた時にカレンは納得する。
バスタオルでくるんだらしい。
『本当に細かいところまで気が付くな』
半分呆れてそう思った。



「すげーー」
テーブルを見るなり、セインが声を上げる。
ぎっしりと並んだ料理の数々。
「そうだろう~」
自分が作ったわけでもないのに、カレンが胸を張る。
デオンも戻ったことだし、今度こそ帰るか、というときに、
「夕飯を食べていかないか」と声をかけられたのだった。
ためらう二人に、
「昨日の夜からまともなものを食べていない」
というデオン。
聞けばルークの看病で、簡単な食事しかしていないという。
「一人分つくるのも、三人分つくるのも変らないから」
という言葉に、二人は甘えることにしたのだった。
──で、出来上がった料理は、二人の想像以上。
ちょうどルークが眠り込んでいる間に、3人は食事を済ませた。

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アロマ・レイキの勉強中。
神秘幾何学なんかも大好きです。
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