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『どうしてこうなったかなぁ・・・』
そう思いながら、ルークはグラスをゆっくりと空けた。
二人の会話がただの喧騒になっていく。
ふと目の前のアルフのグラスが空になっているのに気付き、注ぎ足す。
その後、自分の分も足す。
「サンキュ」
ルークに向けられた視線はすぐ、タイラーとカレンに戻る。
アルフは二人のやり取りが面白いらしく、しっかりと聞いている様子だ。
『何が面白いんだか・・・』
第一、とばっちりもいいところだ。
「ルーク!」
「はいっ」
急にカレンに呼ばれる。居住まいを正す。
「グラ・・・グラ・・・・・なんだっけ?」
「グラグラ?何がグラグラ??」
急に話をふられてもさっぱりわからない。
「グラッシェアンスだろう?」
アルフが言う。
『カレンが言いたかったのは、デオンの名前?
 グラグラじゃなくて??』
なんでまたデオンの名前が急に出てくるのだ?
「な」
「グラッシアンスにもらってもらえ!」
「はぁ?」
一言発したところで、カレンに言われ、脱力する。
「もらってもらえって?何を??」
第一、舌ったらずで、ちゃんと名前を言えていない。
「嫁にだ!」
まだ、その話をしていたのか・・・。
おまけにデオンまで引き合いに出されて。
「いい加減にしろよ。俺は嫁には行かない!
 第一、そういう二人が結婚すればいいじゃないか!」
さすがに堪忍袋の緒が切れた。
「なんだって~!」
二人が顔を見合わせて叫ぶ。
「・・・あ、意外といいかも」
カレンをなだめていたセインが言う。
「息もぴったりだしな~」
アルフもニヤニヤと二人を見やる。
二人はもう一度顔を見合わせ、一緒に叫んだ「ルーク!」
「あ、本当、息ぴったり」
ルークはにんまりと笑う。
「こら~~~っ」
カレンが手を振り回す。
「わわ~っ」
側にいたタイラーが慌てて避ける。
「俺の部屋で暴れるな~!」
とめるセインの声。
「わははははっ」
抱えていた自己嫌悪も、モヤモヤもいつの間にかなくなって、ルークは久々に大笑いした。


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この後、カレンが突然ガクンと眠っちゃって、皆で雑魚寝。
翌日4人は二日酔いで頭ガンガン、ぐったりでした。
一番平気だったのがルーク←ほぼザル。
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「外見を、小汚くする!」
グラスを持ったままカレンが叫ぶ。
「え・・・例えば?」
意識して小汚くするというのがピンと来ない。
「風呂に入らないのが一番だろう・・・」
アルフがボソッと言う。
「それ、無理」
そう言い、ルークはぐいっとグラスの中のお酒を口にする。
逆に1日に2回でも3回でも入りたいくらいなのに。
「同じ服を2、3日着たままとか!」
「・・・考えたくない」
「ひげを生やしてみるとか!」
セインが思いついて言う。
「こいつ、ひげ薄いんだよな~」
タイラーがルークの首をグイッと抱き込み、残りの手で顎をぐいぐいする。
ずいぶんと酔いが回り、ご機嫌だ。
「あ~、今回泊まりこんでも、無精ひげにすらならなかったよね」
言い出したセインが自分の顎をさすりながら納得する。
そのセインの顎は立派な(?)無精ひげが生えていた。

“実験&レポート提出終了万歳+ルークお大事に!”という変な名前の飲み会が、セインの部屋で班員5人全員に寄って催されていた。
普段は家路へと急ぐアルフも、今回は付き合っている。
そして、当面、こういうトラブルはいらないというルークに、4人が酔いに任せ、悪乗りをして智恵を出し合あっていた。

「いっそのこと、結婚してしまえ~!」
カレンの言葉に、残り4人は想像もしないことに息を飲んだ。
「・・・・」
「飲ませすぎたか?」
アルフがボソッと言う。
「どうだろう?」
4人して顔を見合わせる。
カレンは酔いが顔に出ない。
静かに酔い続け、ある限度を超えると、寝てしまうのだが、今回は突拍子もないことを言い出す方向に行ったのだろうか。
ルークは「はぁ」と溜息をつき、「カレン、俺の話を聞いていた?俺、しばらく無縁がいいんだけど」という。
「だからだ!」
そういいながら、カレンはすくっと立ち上がる。
ビシッとルークを指差し、
「お前が結婚していれば、言い寄られることもないんだ!
 現に、このアルフを見てみろ~~」
途中から指先をアルフに向け、言い切る。
「──完全に酔っているな」
タイラーが冷静に言う。
うん、うん。
3人してうなずく。
「それにしても・・・失礼だなぁ。そんなふうに思っていたのか」
カレンに気付かれないように、アルフがボソボソという。
・・・が、実際、アルフが入学してきた時に、周りの女性人は色めき立ったものの、既婚者で子どもがいると知った途端、冷めてしまったのだ。
「まぁまぁ・・・」セインがなだめる。
「そこ、真面目に聞くんだ!」
こそこそと話す4人に、ビシッとカレンが言う。
「ハイッ」
思わず、背筋を伸ばす。
「つまりだ~ぁ。アルフの例もあるように、結婚していれば寄り付かない!
 ゆえに、偽装で構わないから、結婚してしまえ」
なんか・・・担当の教授に似たような口調でカレンが言う。
「カレン、押さえて、押さえて」
セインが、カレンの腕を引き、とりあえず座らせ、落ち着かせようとする。
ルークの首を抱えたままのタイラーが、
「・・・すごい、無謀なこと言い出したぞ」
と耳打ちしてくる。
「すごい、飛躍だよ」
ルークも半分呆れながら答える。
視線をアルフに向けると、アルフは口をゆがませ、体を震わせている。
合った目が笑いを堪えている・・・と、思った瞬間、
「ぶっはははははは」笑い出してしまった。
カレンの余りの酔いっぷりが愉快になってしまったらしい。
アルフもずいぶんと酔っているようだ。
「そこ、笑わない!
 でも、女の子を捜すのは面倒だから・・・。
 そこ!そこでルークを締めているタイラー、
 君がルークを嫁にもらいなさい」
「ええええ~~~っ」「ふざけるな」
一斉に4人でわめく。
特に、言われたタイラーとルークは大抗議だ。
「しょうがないなぁ・・・じゃ、嫁はタイラーで」
「違うだろう!」
二人で却下する。
カレンの発想はぶっ飛びすぎだ。
「第一、なんで俺なんだ!
 お前がもらえばいいだろう!一晩中語り明かす仲じゃないか」
タイラーが反撃する。
「俺にも選ぶ権利がある!」
言い放つ、カレン。
「俺にも選ぶ権利があると思うんだけど」
二人の言い合いを尻目に、ルークが言うと、ギロっと二人して睨んでくる。
「お前は黙ってろ」
二人仲良く、そろって言う。
ルークは首をすくめた。
タイラーとカレンはルークの押し付け合いの口論を始めた。
エレベーターで知った顔に会わないよう、階段を選んだ。
ズキズキと痛む頬を押さえながら一歩一歩上る。
研究室まであと少しというところで、
『あ、トイレで確認して冷やした方がいいのか』と思ったが、
荷物は全て研究室においてあるかばんの中で、ハンカチすら持っていない。
それに・・・研究室の冷蔵庫には保冷剤があるはず。
やはり先に研究室に行くことにした。

「ぶあっはっはっはっ、ルーファ!見事なスタンプだなっ」
ルークが頬を押さえていた左手を外すなり、カレンが爆笑する。
それに合わせて、他のメンバーもどっと笑う。
「スタンプ・・・」
あまりにもひどい例えに、ルークは脱力する。
「だってさ、あ~~~っと、あったあった。
 ほらほら、見てご覧よ、指のあとがくっきり」
カレンがルークの横にきて、一緒に鏡をのぞきながら、ルークの左頬をさす。
「・・・本当だ・・・」
覗き込んだ鏡には、真っ赤に5本の指のあとまでも残った手形が写っていた。
まさにスタンプのようで、カレンの表現のうまさに、変に感心する。
「だろう~」
カレンは得意げに笑った。


「ええっ」
「お前彼女いたの!?」
事の顛末を話し始めたところで、仲間達が驚きの声を上げる。
「全然、そんなそぶりなかったじゃないか」
タイラーがルークの頭を小突く。
「そぶりも何も・・・付き合うことになったのが、1週間前?10日前くらい??」
4人が息を飲む。
「そりゃまた・・・」
「気の毒~」
セインのセリフを引き継いでカレンがおどける。
この1週間ほどは実験で研究室に詰めっきりだったのだから。
「無理だって断ったのに。
 いや、実験中だから無理だとかじゃなくて・・・。
 今は付き合うとかが無理だって言ったんだけど」
「押し切られたわけか」
アルフが察して言う。
言葉なくルークはうなずいた。
拍子に、ちょっとはれた頬が痛む。
「お昼を一緒に食べたいって言われて、お昼を2回食べに行って。
 今度は夕飯・・・。データが出る日だったから、送り届けてすぐ帰ってきて」
『お茶でも飲んでいく?』というのを断った時点で、かなり彼女はご立腹だった。
その上、昨日まで完全な缶詰で、連絡が来てもそれに出るのすらもったいないくらい忙しかったのだ。
「今日呼び出されて・・・。
 「私と研究どっちが大事なのっ!?」ってさ」
「あ~~~~~」
4人は一斉に天を仰いだ。
「──で、お前は“研究”って答えたわけだな」
タイラーが確認する。
「うん」
無理だというのに、押し切られ、忙しいのに振り回された挙句のそのセリフ。
押し切られた自分が悪いことは重々承知していたが、心が冷えて、本当のことを言いたくなってしまったのだ。
自制できなかったことと、傷つけてしまったことで、ルークは自己嫌悪に陥っていた。

「そりゃまた・・・」
「なぁ・・・」
沈黙が部屋に満ちる。
本来ならば、「お前、ひどいことを言ったぞ」と言いたいところだが、状況を考えると言いにくい。
かなりゴリ押しをして、彼女という立場に納まったのは察することが出来る。
気を許した仲間内では、多少流されるものの、対女性面では気を持たせることなく、断っている場面を4人は偶然見たことがある。
すっかり暗くなってしまった雰囲気を断ち切るように、
「あーーー、お前の気持ちもわからなくはないな」と、セインが突然言った。、
「なんかさ~、“私と付き合っているうちに、変わる”“変えてみせる!”
 みたいなのがないか~。それって」とタイラー。
「こいつの生活感のなさは、そういうタイプの女を引き寄せるってことだね」
と、カレンがしたり顔で言う。
「お前が言うか!」
セイン、タイラー、アルフ、3人がカレンに突っ込んだ。
カレンもルークに負けず劣らず、生活感がない。
ただ、カレンの方が輪をかけて強気だ。
「言ったっていいじゃん!本当のことだし。
 俺は似たようなのが来ても、はっきり断っているぜ」
・・・断っているというよりは、完全に無視をして、とりつく島を与えないだけ。
好きな男にその態度をされるのだ、相手はかなり傷ついているだろう。
3人は内心思う。
「どっちが性質が悪いんだろうねぇ・・・」
アルフが視線を泳がせて一人つぶやいた。
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